MIDIキーボード。これもまたDTMでしか聞かない謎の用語。MIDIキーボードは必須ではないけど、あったら便利。これは、多くのDTMerが同意すると思う。そう、「準必需品」機材の話。打ち込みをするDTMerなら間違いなく使える便利アイテムなので、財布と相談してみてほしい。
⇒DTM機材まとめ記事:DTM必需品・おすすめ機材まとめ ~ kamoshakeh music
MIDIキーボードとは何ぞや
ピアノ型MIDIコントローラ
「MIDI」とは"Musical Instrument Digital Interface"のことで、音楽の演奏情報を伝えるための規格(ルール)だ。MIDIキーボードは、その演奏情報をパソコンに送信するための機器となる。かつてはMIDI端子という専用の端子が使われていたが、今はコンパクトでかつ電源も供給できるUSB接続が主流となっている。そして、音楽の再生・停止など、MIDIだけじゃなく様々な機能を搭載しているものも多い。「ピアノ型MIDIコントローラ」といったところ。
単体で音は出せない
一般的にMIDIキーボードには音源やスピーカーが付いていないため、単体で音は出せない。パソコンのDAWや音源ソフトに接続して初めて音が出る。作曲時などただ音を出したい時に起動が少し手間なのがデメリット。
打ち込みの時短
MIDIキーボード最大のメリットは、DAW上での楽器打ち込み効率が圧倒的に良くなること。ピアノなどの音階楽器はもちろん、ドラムやパーカッションもマウスやタッチパネルでポチポチ入力するより断然楽。Studio OneだとPCキーボードで打ち込みをすることもできるが、すごく使いづらい。リアルタイムで演奏しながら入力するのが一番早いが、ピアノが弾けない人でもステップ入力(一拍ごとに打ち込み)ができるので問題ない。
打ち込みのヒューマナイズ
自分の手で演奏することで、リズムや強弱の微妙なずれを表現でき、より自然な打ち込みにできるのもMIDIキーボードを使うメリット。DAWには打ち込みっぽさを軽減するためにヒューマナイズ(リズムや強弱をランダムにずらす)機能が付いているが、ヒューマナイズ機能にはできないエモーショナルなニュアンスを伝えることもMIDIキーボードならできる。ただ、そういう自然な打ち込みをするにはリアルタイム入力をする必要があり、ピアノを弾けない人には難しい技だが、簡単な片手弾きなら練習すれば何とかなる。そして、リズムや強弱がずれすぎて酷くても後から補正できるので気にしなくても大丈夫。
インスピレーションGET
MIDIキーボードでいろんな音を試しつつ演奏していると、思いがけず良いフレーズが出来たりもする。そういったインスピレーションはマウス打ち込みでは得られない。そのためにもやはりピアノは弾けた方が良いが、練習すれば何とかなる。むしろピアノの練習になって音感が鍛えられたりして、作曲にも良い影響を与える。効率だけでなく、音楽的な上達のためにも、MIDIキーボードはおすすめ。
モチベーションUP
機材購入のメリットとして毎回のように言っているが、置いてるだけでテンションとモチベーションが上がる。オーディオインターフェイスはメカっぽい良さがあるが、MIDIキーボードは楽器なのでいかにも「音楽やってます!」という感じになる。そのために投資しても良いと思う。
MIDIキーボードおすすめ:M-AUDIO Keystation
MIDIキーボードも多くの種類があり迷わせてくるが、kamoshakehが愛用しているM-AUDIO Keystationシリーズはイチオシなのでその魅力を紹介する。
鍵盤数は32から61がおすすめ
MIDIキーボードの鍵盤数は25から88と幅広い。Keystationは32/49/61/88の4種類ある。88はグランドピアノと同じ鍵盤数だが、クラシック音楽以外で88鍵フルに使うことはあまりないと思うし、スペースとコストが問題になるので88鍵は本格的にピアノを弾きたい(でも本物は買えない)という人以外はおすすめしない。61鍵以下でもオクターブボタンでシフト可能。イメージとして、
- 32:2オクターブ半、両手弾きは厳しいが片手弾きは余裕
- 49:4オクターブ、何とか両手弾きができる
- 61:5オクターブ、余裕で両手弾きができる
こんな感じ。鍵盤数が多くなるほど大きく高くなるので、机と財布に相談しよう。持ち運びたいなら32。スペースがなければ、キーボードスタンドを導入して解決することもできる。下記商品は執筆時点で3,000円ほど。
コンパクトですっきりした見た目、シンプルで必要十分な機能
Keystationは他のMIDIキーボードと比べてコントロールボタンが少ないのが特徴。その分、特に奥行きがコンパクトで見た目もすっきり。機能は少ないが、オクターブボタンやピッチベンドホイール(音をうわんうわん揺らすやつ)など必要十分。個人的に他の機能が多少あったところで中途半端で使わないし、シンプルな方が鍵盤に集中できると思う。
ちなみに、MIDIキーボードと合わせて欲しくなる便利グッズがサスティンペダル(音を伸ばすやつ)だが、49と61はM-AUDIO純正のペダルが別売りで入手できる(執筆時点で2,500円ほど)。特にピアノの自然な演奏には必須なのでぜひ。32はサスティンボタンが付いているので、右手で演奏しながら左手でサスティンを操作することになる。
弾きやすい鍵盤
Keystationは鍵盤の弾きやすさにこだわっている。鍵盤数によって異なり、
- 32:ミニサイズ、ライトウェイト
- 49:フルサイズ、ライトウェイト
- 61:フルサイズ、セミウェイト
この通り。フルサイズはピアノと同じ鍵盤サイズ。ミニはひと回り小さいが慣れれば大丈夫。セミウェイトはピアノと同じ(ハンマーアクション)とまではいかないが、バネと重りでそれに近づけたもの。ライトウェイトはキーボードのように軽いタッチ。ピアノ弾きは61が欲しいと思うが、未経験者ならどれでも良い。とりあえず普通に弾きやすい。
良質なおまけ音源
さらに、Keystationはおまけで付いてくるソフト音源が優秀。
- Xpand!2:2500を超える音色を出せるマルチ音源。DAWの標準音源にない楽器の音を補強してくれる。
- Mini Grand:ミニグランドピアノ音源。柔らかい音から固い音まで幅広くアコースティックピアノの響きを出せる。Studio One Artistには無い良い音。
- Velvet:エレクトリックピアノ音源。音色が豊富で、とりあえずこれがあればエレピはOK。
ただし、32鍵はこれらが付属しないので注意(楽天だとXpand!2が付属すると書かれているが、サウンドハウスとAmazonには書かれていない)。
まとめ:コスパ最強
M-AUDIO Keystationは、特に弱点のないコスパ最強MIDIキーボードだ。
- コンパクトですっきりした見た目、シンプルで必要十分な機能
- 弾きやすい鍵盤
- 良質なおまけ音源
- 他メーカーの同等品より安い
おわりに
MIDIキーボードはDTMの効率化+高品質化+モチベーションUPを実現する便利アイテム。使いこなしてDTMライフを快適にしよう。
⇒DTM機材まとめ記事:DTM必需品・おすすめ機材まとめ ~ kamoshakeh music
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